むし歯の痛みはどんな痛み?
むし歯になると、冷たい物や甘い物を飲食するときに歯がしみるようになります。一瞬ではなく、多少持続的に痛みが残るのがむし歯の特徴です。
熱い物を食べたときにも同じような痛みがある場合は、むし歯が相当進行しています。熱い物で痛みを感じるほどむし歯が神経に近いということを意味しています。この段階になると、神経がむし歯に侵され、普通ではない痛みが発生します。
場合によっては夜も寝られないほど痛むこともあります。それでも放っておくと、やがて痛みが止みます。これは治ったからではなく、歯の神経が死んでしまったことが原因です。このように、段階によって痛み方が変わるのがむし歯です。
むし歯の進行
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初期むし歯
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まだ歯に穴は空いていませんが、エナメル質の表面が脱灰により、白濁している状態です。痛みはなく、再石灰化を促すことで治すことができる段階です。
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エナメル質のむし歯
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歯のエナメル質に穴が開いた状態です。そこから内部にむし歯が発生するため、治療が必要です。しかし、まだ痛みはありません。
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象牙質のむし歯
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象牙質にまでむし歯が進行した状態です。外から見ると小さな穴でも、内部でむし歯が広がっていることがあります。痛みを感じ始めます。
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神経のむし歯
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むし歯が歯髄(神経)にまで進行している状態です。熱い物でも触れると痛いほか、何もしていなくても激しい痛みが生じます。根管治療を行います。
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歯根のむし歯
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歯の根の先までむし歯が進行している状態です。神経は死んでしまったので、それまでの痛みは和らいでいます。歯肉に膿がたまることがあるため、抜歯を行います。
むし歯は砂糖とむし歯菌、
唾液のバランスでできる
砂糖とむし歯菌の関係
一般的に、お菓子やケーキの食べすぎはむし歯になると言います。その理由として、砂糖を採りすぎると歯が溶けるという理由が語られます。実際には、むし歯は砂糖とむし歯菌、唾液のバランスによって発生するものです。
むし歯菌は口の中に常にいる常在菌ですので、普通は無害です。しかし、糖分を摂取することでこれを代謝し、代わりに酸を出します。これによって歯のミネラル成分が溶け出すとむし歯になります。
唾液が歯を修復する
唾液は食べ物を食べやすくしたり、細菌に抵抗したりする以外にも口の中を中和したり、歯の再石灰化をしたりする働きをします。歯の再石灰化とは、溶け出したミネラル成分を修復することです。
唾液が充分に分泌されないと、再石灰化が起こりにくく、よりむし歯になりやすいと言えます。食べ物が口の中に入っていないときは、唾液が歯や口腔内の粘膜に付着していることが理想です。口呼吸やドライマウスだとむし歯リスクを高めるため、口の中が乾燥しがちな人は唾液の分泌を促すように注意しましょう。
むし歯を繰り返すほど高まる歯を失うリスク
適切な食生活とデンタルケアを行っていれば、虫歯の予防になります。しかし、甘いものをたくさん摂取し、歯磨きもおろそかにしていると、むし歯は何度も再発します。
むし歯になると歯を削らなくてはいけませんので、その分歯質が減り、歯の強度は低くなってしまいます。つまり、むし歯を繰り返すほどその歯は弱くなり、破折や抜歯のリスクが上がるということです。これを食い止めるには、今日から予防をしっかり始めていくしかありません。当院でも予防歯科として、ブラッシング指導や定期検診を行っておりますので、積極的に受診ください。